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1828 Echigo Sanjô Earthquake

天災は忘れた頃にやってくる Disaster strikes when it is least expected.

史料にみる前兆現象

 三条地震では、地震の前兆現象ともとらえられる現象が当時の記録史料「組々地震変事書上帳」「文政度地震変事御糺答書」などに残されている(河内一男[2002]他)。

 上保内村長泉寺の井水は清らかにして味美なりと世人は云へるを、水濁れば必ず變ありと古人傳へ來たりしが、此年六月頃濁り、又十月の末濁あるを聖人心おちつかぬに、果して大震にあひ、かの寺は本堂、太子動などを破損し、庫裡は倒れ里の家は同じようになり、死に失へる人さへありといへり
 上保内村(三条市)の長泉寺の井戸の水は清らかで味もおいしいと世間では評判がある。この水が濁れば必ず事変があると古くから言い伝えがあるが、この年の6月(水無月)頃にこの水が濁り、また10月(神無月)の末に濁りがあるのをみて住職は落ち着かなかった。そして、大地震に遭い、この寺の本堂、太子堂などを破損し、庫裡は周囲の家と同じように倒壊し、亡くなってしまう人さえもあったという。
 地震三四日以前明方より五ツ時頃迄、毎朝霧の如くの煙気が立った。盛ん成る時は弐三間先の人の見えない義も之あり候。
 地震の3、4日前から毎日、明け方から午前8時ころまで、霧のようなものが立ち込め、ひどい時には4、5メートル先に立つ人さえ見えない時もあった。
 地震四五日前より雲が晴れ候ときは、月輪が五色の縁どりを取り、幼児の覗く五色眼鏡にて見る如くに相見え候よし、段々見受け候者之あるを相話し候。
 地震の4、5日前から雲が晴れたときは、太陽の周りに五色の虹のようなものが見え、まるで万華鏡を見ているように見えたので、徐々に見た人が増えてお互いに話していた。
 地震以前、山々で諸木が芽をだし、春げしきに相なり候よし、相話し候者御座候。
 地震の前、山々で木々が芽を吹き、まるで春のようだと、お互いに話し合う人がいた。
 地震の起こる前日、十一日の卯の刻、日の出前、東南の間、雲の色が朱の如くに御座候。
 地震の前日の11日、午前6時の日の出前に、東南の空の雲が朱色に染まっていた。
 御上知、如法寺村、地中より火出候。右の火、十月中旬から火出申さず。霜月の地震後より火出候よしに御座候。
 如法寺(三条市)では、地中から火井(天然ガス)が自噴していた。その火井が10月中旬から出なくなった。地震の後に再びガスが自噴した。
 十二日寅の下刻頃、ゴウー引、ゴウー引大風の音いぶかしく、鶏鳴頻発候間、外へ出て見候えども、見分かり申さず。明け渡り、猶またまかり出で見候処、午より酉まで雲墨のごとくにて雲切れもこれなく候故、放れて大風の様子も御座無く候につき……
 12日の午前5時ころ、ゴーゴーと風が強く吹く音に怪しく思い、ニワトリの鳴き声も頻繁に聞こえ、外に出て様子を見てもよくわからなかった。明け方、また様子を見に外に出てみたところ、南から西の空が灰色の雲にびっしりと覆われていたが、強風の様子もなくなっていた……

 ただ、これらの記録が地震発生後に残されていることから、「そういえば、地震前にこんなことが……」のような話も含まれている点に留意する必要がある。

備えあれば憂いなし Prepare for the worst, and you'll have no regrets.

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