トップplus+上々≠ネ旅IV 2006〔スーパー白鳥1号〕
〔あけぼの〕
〔あけぼの〕
青森(連絡船埠頭)
〔スーパー白鳥1号〕
〔スーパー北斗13号〕
〔スーパー宗谷1号〕
〔スーパーホワイトアロー22号〕
〔北斗星2号〕
〔北斗星2号〕
上野
JôJô Tour 2006

2006年 〔北斗星〕再び… “上々”な旅IV

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 月曜のお昼前、青森駅はやや閑散としていた。
 L特急〔はつかり〕、快速〔海峡〕が廃止され、特急〔スーパー白鳥〕〔白鳥〕が青函間を一手に担う。
 6号車を先頭にした特急〔スーパー白鳥1号〕が青森駅5番線ホームに到着する。
 789系電車には「HEAT:Hokkaido Express Advanced Train」のロゴが描かれている。
 ドア脇には、北海道と東北地方が描かれ、文字通り「青函特急」を体現している。
 789系電車は運転室下の通路から前面を展望できる。
 各車輌客室のドアにも津軽海峡のイラストが描かれている。
 津軽湾を望む。対岸に見えるのは夏泊半島。
 青函トンネルに突入。
 青函トンネル内では列車の位置が図示される。
 木古内駅では北海道新幹線を待望した看板が出迎える。
 久根別で特急〔スーパー白鳥24号〕と交換のため運転停車。
 右手に函館山が見えると、終点・函館はもうすぐ。
 函館運輸所には、運転を終了した781系電車「ドラえもん海底列車」。
 函館に到着した特急〔スーパー白鳥1号〕(左)、札幌に向かう特急〔北斗11号〕が接続を待つように向かいのホームで発車を待つ。
 特急〔スーパー白鳥1号〕は、折り返し〔スーパー白鳥28号〕として本州に向かう。
4001M 特急〔スーパー白鳥1号〕
0.0 青 森 11:19発
27.0 蟹 田 11:42着
11:43発
119.2 木古内 12:30着
12:31発
160.4 函 館 13:14着

青森駅

 青い海公園・メモリアルシップ八甲田丸周辺を散策し、青森駅に戻った。

 次に乗車する特急〔スーパー白鳥1号〕は、ちょうどお昼の時間を挟むことになるため、駅構内の売店で駅弁を購入することにした。売店のショウケースにはさまざまな駅弁が並んでいて、すぐさまこれとは決めづらい。あれこれと悩んだ結果、幸福の寿し本舗製の「津軽の笹寿司」(800円)に決めた。

 駅構内を見回すと、特急〔スーパー白鳥14号〕で八戸方面もしくは東北新幹線に乗り継いで仙台・東京方面に向かう利用客や特急〔スーパー白鳥1号〕で函館方面に向かう客が徐々に集まりはいじめている様子だ。特急〔スーパー白鳥14号〕の方が約30分も早いので、大半がその上り列車の客だろう。

 少し早いが、特急〔スーパー白鳥14号〕の様子も眺めつつ、特急〔スーパー白鳥1号〕を待つため、改札を通って寝台特急〔あけぼの〕で降り立った5番線ホームに向かった。

青函特急「789系」

 10時49分、函館からの上り特急〔スーパー白鳥14号〕が4番線ホームに到着した。指定席の車輌には、修学旅行生と思わしき団体客の姿もあった。果たして、どこへ行くのだろうか。そして、どんな想い出が残るのだろうか。素敵な修学旅行であることを祈りたい。

 さて、特急〔スーパー白鳥14号〕が進行方向を変え、6分ほど停車した後、八戸を目指して4番線ホームを去っていった。駅構内には若干の静けさが戻り、東北本線・浅虫温泉行、奥羽本線・弘前行、津軽線・蟹田行の普通列車がそれぞれ乗客を待っている。

 11時13分、八戸からの特急〔スーパー白鳥1号〕が東北本線からいくつものポイントをわたり、青森駅5番線ホームに到着した。ホームには函館方面に向かう乗客が20名程度、特急〔スーパー白鳥1号〕の到着を待っていたが、ドアが開いて、降車客と入れ替わりに手荷物を抱えて早速乗り込んだ。ドア脇には北海道と東北地方の地図をシンボライズしたイラストが大きく描かれている。文字通り「青函特急」という役割を表現している。

 乗客の列に続いて乗り込んでみると、あちらこちらで乗客が座席を転換していた。青森到着の案内放送で進行方向が変わることが案内されていたからだろう。青森から乗り込んだ乗客たちも席に腰かける前に座席を転換して席に着いていた。指定席は4〜5割程度の乗車率で、平日昼の特急列車では平均的な乗車率ではないかと想像してみた。

 11時19分、北海道・函館を目指して、特急〔スーパー白鳥1号〕は青森駅5番線ホームを後にした。寝台特急〔あけぼの〕で辿ってきた線路を若干戻り、津軽線へと針路をとった。

 特急〔スーパー白鳥〕に運用される789系電車は、JR北海道の特急用車輌であり、〔スーパー白鳥〕専用に使用される。特急〔スーパー宗谷〕に用いられるキハ261系気動車をモデルに製作されたという。そのキハ261系気動車もJR北海道が提携しているデンマーク国鉄のデザインがエッセンスとして注入されているという。確かに、JR他社の車輌と比較すると、そのエッセンスが伺える。

 789系電車は走行性能に優れ、青函トンネルの上り勾配区間でも140km/h運転が可能である。将来的には、160km/h運転のための設備と北海道新幹線が新函館まで開業した際に札幌圏に転属させるための設備も施されているという。現在、函館運輸所に34輌所属していて、特急〔スーパー白鳥〕の他、運用の都合上、特急〔つがる6号〕(青森発八戸行)でも運行されている(下図参照)。

 JR東日本の最近の新型特急車輌(E257系電車など)では、「安っぽい」印象をうけてしまう感が否めないが、789系電車は特急車輌のステータスを維持しているように感じる。やはり、特急車輌には「手軽さ」よりも「ハイソ感」を求めたい。789系電車は運転室の下が通路になっており、前面展望を楽しめる。青森を発ってしばらくして様子を窺うと、鉄道ファンと父子が前面展望を楽しんでいた。

 さて、特急〔スーパー白鳥1号〕は津軽線を走行しているが、線形の悪さからか少し揺れやすいし、スピードも出ていないようだ。せっかく高性能を誇る789系電車もその性能を持て余し気味のようだ。

 車内放送は自動放送が流れる仕組みになっていて最後に「目的地までのお時間をごゆっくりお過ごしください」と放送を締め括ったのは新鮮だった。

青函トンネルへ

 11時42分、特急〔スーパー白鳥1号〕は蟹田に到着した。各車輌の乗車口にはまとまった数の乗客が到着を待っている様子だった。ここで、車掌がJR北海道にバトンタッチされるらしく、いよいよ本格的に「JR北海道」に踏み入れることとなる。

 11時43分に蟹田を発車した特急〔スーパー白鳥1号〕は、11時49分、JR東日本とJR北海道の境界を越えると同時に、海峡線に歩みを進めた。車内放送でも青函トンネルについて説明が流れた。用務などでいつも津軽海峡線を利用する乗客にとっては耳障りなのかもしれないが、さほど長くない説明で「さり気なく」流れるので、さほど気にならないだろう。青函トンネルについての案内放送で北海道新幹線についても説明させた。やはり、北海道は「新幹線」が渇望しているのだろうか……。 デッキと客室を仕切るドア上に設置されている電光掲示板「インフォメーションボード」にも青函トンネルの説明が流れ、津軽今別から9つ目のトンネルが青函トンネルだという。

 太平トンネル、津軽トンネル、大川平トンネルと続き、いよいよ青函トンネルが近づいてきた。第四浜名トンネルを抜け、11時58分、本州に別れを告げるべく789系電車の短く甲高い汽笛が鳴り、青函トンネルに突入した。

 非常灯の蛍光灯がまるでラインを描くように流れていく。津軽線から海峡線に入り、789系電車はまるで水を得た魚のように高性能を発揮し、速度を上げている。青函トンネル内も最高速度に近い速度で駆けていっているようだ。インフォメーションボードには青函トンネル内での走行位置が表示され、だいたいの位置を把握できる。12時04分、青森側の海底駅「竜飛海底」を通過、いよいよ海底部に進んでいく。青函トンネル突入前の案内放送で、最深部には青と緑のランプがあると案内された。12時10分、線路脇に青と緑のランプを見つけた。どうも最深部らしい。このランプは窓の外を凝視していなければ見つけられないほどあっという間に過ぎていくので、よく見ていないと見落としてしまいそうだ。運行上支障がないのであれば、もう少しわかりやすくするか、思い切って「←北海道|青森県→」のような電光掲示を掲げてもいいような気がする。

 最深部を通過し、上りに差しかかっても789系電車はスピードを下げることなく、トンネルを駆け上がっていく。12時14分に北海道側の海底駅「吉岡海底」を通過し、12時23分、本州・青森県側から25分で青函トンネルを出、北海道に「上陸」した。青函トンネル53.85kmを25分で駆け抜けたということは、平均速度は約129km/hを記録し、789系電車の面目躍如といったところか。

特急街道

 北海道側で初めての停車駅となる木古内に到着する案内放送で、青春18きっぷ、乗車券のみの乗客は下車を促された。海峡線は2002年(平成14年)12月の東北新幹線八戸開業によるダイヤ改正で、快速〔海峡〕が廃止され、特急〔スーパー白鳥〕〔白鳥〕のみが運転されるようになった。そのため、青春18きっぷや乗車券のみで蟹田−木古内間に限って特急列車に乗車できる。

 12時30分、木古内に到着すると、自由席号車の方から多数の下車が見られた。どうも、蟹田での乗車といい、木古内での下車といい、青春18きっぷユーザーと思わしき利用客だったのだろうか……。いまだ青春18きっぷが根強い人気を見せつけた瞬間でもあった。

 木古内からは江差線に入り、津軽線と同様に単線となり、スピードもダウンしてしまう。津軽線でもそうだったが、一部の駅ではホームの長さには不釣り合いなほど、分岐された区間が長い駅があった。これは、貨物列車に対応させたものと思われ、EH500型直交流電気機関車「金太郎」に牽引された貨物列車が、その引込線に目一杯に停車して、特急〔スーパー白鳥1号〕の通過を待っていた。津軽海峡線開業前までの主役・津軽線と江差線のローカル列車は脇に追いやられ、まさに、津軽海峡線は人・モノの「特急街道」そのものである。

ドラえもん列車

 久根別くねべつで特急〔スーパー白鳥24号〕とすれ違うため、運転停車し、さらに江差線を進むと七重浜を過ぎる。七重浜には洞爺丸事故の慰霊碑があるというが、肉眼では確認できない。青函トンネルが1954年(昭和29年)の洞爺丸沈没事故を契機に建設が本格的に進められた。

 七重浜を過ぎて函館郊外の工業地帯が見え、五稜郭で函館本線が合流すると、右手には特急〔スーパー白鳥〕に使用される789系電車の“ねぐら”である函館運輸所が見える。函館運輸所には8月27日(2006年)まで、同じく津軽海峡線で活躍した臨時特急〔ドラえもん海底列車〕に使用された781系電車が休んでいた。

 臨時特急〔ドラえもん海底列車〕は、北海道側の海底駅「吉岡海底」駅で展開されたドラえもん海底ワールドに連携した臨時列車だった。正面にはドラえもんが描かれ、子どもたちには大人気だったという。しかし、北海道新幹線の本格的な着工により、吉岡海底駅が工事の資材置き場となるため、吉岡海底駅の営業終了とともに、ドラえもん海底ワールドも閉鎖され、〔ドラえもん海底列車〕も引退ということになった。

 果たして、781系電車「ドラえもん海底列車」はどうなってしまうのだろうか。

函館で

 函館山の麓に吸い込まれるように、特急〔スーパー白鳥1号〕は定刻通り13時14分、函館駅6番線ホームに到着した。デッキから客室の通路に並んでいた乗客たちは、向かい側に停車している特急〔北斗11号〕に乗り継ぐ乗客と、先頭車側の改札口へ向かう客に別れた。乗客たちが降りた特急〔スーパー白鳥1号〕は、特急〔スーパー白鳥28号〕に衣替えするべく折り返し作業が進められようとしていた。

 約15分後の13時29分に発車する特急〔北斗11号〕はアイドリング音を響かせて乗客を待っていた。これに乗車すれば、札幌には17時前に到着する。たしかに、キハ183系(HET183)気動車も魅力的だが、せっかくはるばる北海道まで来たのだから、JR北海道の新鋭気動車キハ281系気動車に乗ってみたいと、1時間後の特急〔スーパー北斗13号〕の指定席を確保していた。そこで、1時間ほど函館駅の様子をみることとした。

 道南の拠点都市でもあり、観光都市でもある函館。その玄関口でもある函館駅は、平日の午後にも関わらず観光客など人の往来が絶えない。そんな駅構内の2階には「いるか文庫」がある。人の往来が静かなスペースに開設されたいるか文庫は、船と鉄道の図書館で、NPO法人語りつぐ青函連絡船の会が青函連絡船の資料を中心に展示している。ぶらり待ち時間を活用するにはうってつけの施設といえよう。

 函館駅では、吉岡海底駅でのドラえもん海底ワールドがファイナルを迎えたことを記念した吉岡海底駅の入場券セットを5,000セット限定で発売していた。10枚の特製入場券に台紙がついて1,600円となっていて、〔ドラえもん海底列車〕や1998年〜2006年の9年間にタイアップしたドラえもん映画のワンショットがそれぞれ入場券に描かれている。台紙には、JR函館駅からのメッセージが「1998年3月青函トンネル開業10周年を記念してスタートした吉岡海底駅「ドラえもん海底ワールド」は2006年8月までの9年間で35万人を越える皆様にご来場いただきました。皆様のご声援、ご来場、本当にありがとうございました。いつまでも皆様の心に楽しい想い出が残りますよう、記念入場券をお届けいたします。」と記されている。

ドラえもん海底ワールドとタイアップ映画
1998年 ドラえもん「のび太の南海大冒険」
1999年 ドラえもん「のび太の宇宙漂流記」
2000年 ドラえもん「のび太の太陽王伝説」
2001年 ドラえもん「のび太と翼の勇者たち」
2002年 ドラえもん「のび太とロボット王国キングダム
2003年 ドラえもん「のび太とふしぎ風使い」
2004年 ドラえもん「のび太のワンニャン時空伝」
2005年 ドラえもんテレビアニメ新シリーズ放送開始
2006年 ドラえもん「のび太の恐竜2006」
 
特急〔スーパー白鳥〕〔白鳥〕ダイヤグラム
  • 太線は789系電車、細線は485系3000番台電車による運転
数字でみる「青函トンネル」
トンネル総延長 124,000m
 本坑 53,850m
 先進導坑 22,292m
 作業坑 17,788m
 斜・横坑 4,392m
 立坑 384m
掘削総量 6,273,917m3
鋼アーチ支保工(本坑) 54,139基
ロックボルト 116,729本
コンクリート 1,502,869m3
吹付コンクリート 138,451m3
地盤注入量 929,510m3
地盤注入孔数 80,000孔
地盤注入さつ孔延長 4,673,215m
先進ボーリング本数 273本
先進ボーリング延長 121,000m
一本最長 2,150m
使用火薬 2,860t
使用セメント 847,000t
使用鋼材
(開業用本設レールを除く)
168,000t
延べ労働者数 13,764,459人
延べ労働時間 128,106,726時間
外国人見学者数 2,000人

 青函トンネルの総工費は、1971年(昭和46年)9月に認可された当初の計画では、2,014億円と計画された。その後、1979年(昭和54年)3月、1982年(昭和57年)7月、1986年(昭和61年)3月に工事費が改訂された。

当時価格 2005年価格
当初計画(1971年9月) 2,014億円 5,689億円
計画変更1(1979年3月) 3,975億円 5,695億円
計画変更2(1982年7月) 5,310億円 6,452億円
計画変更3(1986年3月) 5,384億円 6,077億円
  • 2005年価格とは、消費者物価指数(CPI)に基づき算出した2005年(平成17年)時点の価格

 なお、津軽海峡線が開業した翌年の1988年(昭和63年)度までの決算額は、青函トンネル部が5,211.74億円で、本州・北海道両側の取付部が1,352.02億円、津軽海峡線全体では6,563.76億円となった。

当時価格 2005年価格
青函トンネル 5,211.74億円 5,816.67億円
取付部 1,352.02億円 1,508.95億円
津軽海峡線合計 6,563.76億円 7,325.63億円
(北海道イメージアップキャンペーンキャッチフレーズ・ロゴタイプ届出番号2598)
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