| JôJô Tour 2003 |
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| 5時45分。所定では熱海を発っているはずだが、なぜかまだ静岡。 |
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| 由比付近。東名高速道路と国道1号線と並行する。 |
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| 東田子の浦付近から太平洋を望む。この雲行きでは列車が遅れてしまうのも無理はない。 |
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| 大船では209系電車の姿が見える。通勤電車をみると、現実に戻されてしまった感がある。根岸線を走る209系電車とは横浜で再び出会うこととなる。 |
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| 予定よりも2時間遅れて横浜に到着。ホームの人たちも普段見慣れない電車に視線が注がれる。 |
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| 2時間11分遅れで東京に到着した。 |
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| 左側が〔サンライズ出雲〕。右側の〔サンライズ瀬戸〕とは幌を使って行き来できる。 |
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| 「東京」の駅名票が今回の旅の終わりを静かに伝える。 |

| 5032M 寝台特急〔サンライズ瀬戸〕 |
| 0.0 |
岡 山 |
22:32発 |
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| 88.6 |
姫 路 |
23:31発 |
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| 145.9 |
三ノ宮 |
0:12発 |
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| 176.5 |
大 阪 |
0:37発 |
変更 |
| 552.7 |
静 岡 |
4:47発 |
5:47発 |
| 586.7 |
富 士 |
5:12発 |
6:12発 |
| 606.7 |
沼 津 |
5:27発 |
7:00発 |
| 628.3 |
熱 海 |
5:44発 |
7:30発 |
| 704.1 |
横 浜 |
6:45発 |
8:53発 |
| 732.9 |
東 京 |
7:08着 |
9:19着 |
予想外の展開
2時40分ころ、目覚める。どこかの駅に停まっているようだ。先頭車両から2両目でホームの駅名票が読めない。どこの駅に止まっているのかわからないが、長い時間停まっているようである。運転士さんの交代などの運転停車(乗降ドアは開かない)だろう。まだウトウトとした目をこすり、どこの駅なのかを探っているが、目印になるようなものが見当たらない。ベッドに横になっているとまた眠ってしまった。
5時30分、再び目を覚ます。どこを走行中なのか、さっぱりわからない。それでも夜がうっすらと明け始めている。空はどんよりとした雲で覆われている。雨が降っているようである。せっかくの三連休最終日も天候には恵まれないようだ。時計の針は5時43分を指している。〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は明らかにブレーキをかけ徐々に減速し、ポイントを幾度も渡る。大きな駅に停車するようだ。今度は、どこかわかるだろうか。5時44分、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は停車した。駅名票を見ると、ここは静岡である。所定の時刻では4時46分に到着しているはずである。それが約1時間遅れでの到着である。なにかあったようだ。事情は後で車内放送が知らせてくれるだろう。
静岡には3分ほど停車し、ちょうど1時間遅れの5時47分に発車した。1時間遅れとなると、東京まで入れず、品川で運転を打ち切られる可能性もありそうだ。東京駅の東海道本線のホームは2面4線しかなく、通勤時間帯にかからないように寝台列車が運転されているのが現状である。だから、遅れが生じると、ホームに余裕がある品川で運転を打ち切られることも考えられる。そんな心配をよそに〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、次の停車駅・富士に向けて、スピードを上げて東海道を上っていく。富士では遅れを回復することも拡大することもなく、6時11分に到着した。このままの速度で行けば、東京には8時過ぎには到着するだろうか。
拡大する遅れ、振替輸送へ
6時12分、定刻よりも1時間遅れで〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は富士を発った。次は沼津である。吉原を通過した〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、まだ沼津は先であるのに徐々に減速しはじめた。〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は東田子の浦駅で臨時停車した。決して長いとはいえない東田子の浦駅のホームには、14両編成の〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕はいっぱいのようだ。個室がホーム側でないので見えないが、少なくとも対向下り線のホームはない。車内放送もなく、何がおきたのかはわからない。まだ時刻は6時30分になっていない。通常の車内放送開始の時間帯ではないので、まもなく始まる車内放送を待つことにしよう。
「おはようございます。……未明の豊橋付近で大雨の影響で、この列車は現在東田子の浦駅で停まっております。沼津駅のホームに空きがありませんので、この先の原駅に〔出雲号〕が停まっております。〔出雲号〕が出発しますと、この列車も運転を再開する予定です。なお、新しい情報が入り次第、車内放送でご案内いたします」との第一声が流れた。やはり、静岡で気づいた遅れは、大雨だったようだ。しばらく動く気配はないようだ。ここ、東田子の浦でも雨の勢いは強い。まさか、沼津駅ホームのキャパシティー不足で停まるとは思ってもみなかった。
だが、なにも焦ることはない。ほんとに急ぐ旅なら新幹線なり、航空機を選択していたはずだから。逆に寝台列車の旅をもっと長い時間楽しめるのだから、トクしていると考えよう。
6時43分、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は動き出した。雨の勢いは収まっていない。次の原でも〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は停車した。「沼津駅で〔出雲号〕が停車しており、この列車は原駅で停車しております。……」と車内放送があった。どうも、〔サンライズ出雲〕の僚友・〔出雲〕が行く手を阻んでいる格好となっているようだ。東京圏の通勤時間帯にさしかからないように、〔出雲〕、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕、〔あさかぜ〕は続行する形で8時まで東京に着くのが所定である。逆に、今ではこの3本の列車が「だんご3兄弟」のように詰まった形になっているようだ。それに、各地の普通列車はなるべく所定の時刻で運転しなければならない。やはり、どうしても遅れが拡大するようだ。それでも、原では東田子の浦よりも短い停車時間で済み、一駅先の沼津に向かい始めた。
本来なら富士から15分で到着するはずだった沼津には、富士から48分もかかって到着した。停車時間も短く7時00分に〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕が沼津を発った。一時のスピードダウンは免れたが、ダイヤが乱れているだけあって、思うようにスピードを上げられないようだ。所定の時刻では東京到着しているはずの7時08分には、三島−函南間を走行していた。どうも、静岡発東京行の普通列車・332Mのスジ(運転ダイヤ)に沿って運転しているようだ。
「お客さまにご案内致します。次は熱海に到着致します。7時25分頃の到着を予定しています。なお、東京方面へお急ぎの方にご案内致します。特急料金の払い戻しを受けないことを条件に熱海から東海道新幹線に振替乗車できます。熱海から〔こだま534号〕が7時34分に接続します。……」と車内放送が流れた。熱海で東海道新幹線への振替乗車を認めてくれるようだ。以前、新宿行の快速〔ムーンライトえちご〕でも同様のことがあった。
2001年(平成13年)9月、村上発新宿行の快速〔ムーンライトえちご〕が、越後湯沢駅で運転を見合わせ、後続の福井発上野行の急行〔能登〕とともに、早朝まで越後湯沢駅で足止めされました。原因は越後中里駅付近での大雨による土砂流入で、運転再開のめどは立たず、最終的には越後湯沢始発の〔たにがわ430号〕東京行に、〔能登〕の乗客とともに振替輸送された。
熱海到着前の車内放送でも繰り返し、特急料金の払戻し無効の条件の振替輸送を案内している。丹那トンネルを抜けると、右手から伊東線が合流してくる。程なくして伊東線の来宮駅が見えるが、熱海駅でもホームのキャパシティーが足りないのか、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は丹那トンネルを抜けた頃から徐行に近いスピードに落ちている。それでも、熱海からはどんよりとした雲の切れ間から太陽が顔をのぞかせ始めた。
7時28分、所定の時刻より約1時間45分遅れで、熱海駅に到着した。個室のドア越しに聞こえてくる車内の音では、それほど、新幹線への振替乗車に切り替えた乗客は多くないようだ。熱海では2分ほど停車して発車。一気に横浜を目指す。
13号車の1階室の利用客は、そのほとんどが既に起きており、思い思いに時間を過ごしている。ある人は洗面し身支度を調え文庫本を読み、ある人は車窓を眺めている。三連休の最終日、やはり寝台列車の旅を楽しむ人が多いようだ。〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、先行する東海道本線の普通列車や〔出雲〕にスピードを抑えられる形で東京を目指している。それでも車内放送では「横浜には8時50分頃、終点・東京には9時20分頃の到着予定となります」と、東京までの到着予定時刻を案内している。やっと、終点までのスジができたようだ。
小田原を過ぎると、東海道本線最後のハイライト・湘南を迎える。雲の切れ間から太陽が照ることもあるが、ほとんど顔を出すことはなくなってきた。個室主体の〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、西村京太郎サスペンスがしっくりとこない列車だと感じた。やはり、〔彗星〕の方が十津川警部、亀井刑事の活躍の場にふさわしい気がする。〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕はどことなくサスペンスには向いていないようだ。そんなことを考えているうちに、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、8時19分にサザンオールスターズで有名な茅ヶ崎を通過した。依然としてスピードが上がるような気配はない。それでも、明らかな「徐行」ではなく、40km/h〜60km/hをキープしているだろうか。個室内でBGMを聞いていても、車内放送が割り込み放送してくる。
横浜・東京に近づいていくほど、車窓の緑は遠くなり、家々が続くようになる。大船では、横須賀線のE217系電車と根岸線・京浜東北線の209系電車が姿を見せる。いよいよ東京が近くなったと同時に、この旅もエンディングを迎えようとしている。「お客さまにご案内致します。次は、横浜に停まります。横浜には8時50分頃の到着予定です。なお、特急料金の払い戻しがございます。詳しくは駅の係員にお尋ねください。本日は豊橋付近での大雨の影響で……」と車内放送が流れた。横浜・東京で降車する利用客には特急料金の払い戻しがあるようだ。自分が乗っていた列車が遅れて特急料金の払い戻しが適用されるのは初めての経験だ。
8時52分、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は所定よりも2時間7分遅れで横浜駅7番線ホームに到着した。向かい側の5番線・6番線東海道本線下りホームで列車を待つ人々は、珍しい2階建て列車に視線を注いでいる。1階室はホームからは丸見えである。フリーストップカーテンを下ろしておけば、ホームからの視線を気にしなくても済む。1分弱停車して、〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は終点・東京に向けて、再び動き出した。
東京へラストスパート
横浜からしばらく京浜急行線、横須賀線、京浜東北線と併走する。横浜までの「抑速」状態から本来の特急並みのスピードに戻した〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、東京へのラストスパートとばかりに、併走する京浜東北線の電車を追い越していく。9時01分、多摩川に架かる鉄橋を渡り、東京都に入る。いよいよ、14都府県にまたがった旅も大団円である。
一気に高層ビルが車窓に増える。品川の手前から最後の車内放送が始まった。ここでも、特急料金の払い戻しが案内される。終点・東京の車内放送を受けて、車内は一気に慌ただしくなる。大小それぞれの旅行カバンに荷物を調えている。品川を過ぎると、それまでの京浜東北線に、山手線、東海道新幹線まで加わり、一気に車窓は賑やかなものになる。もう一度、東京到着の車内放送が流れる。三連休最後の日、東京はゆっくりとした時が流れているようだ。
9時19分。寝台特急〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、東京駅9番線ホームに到着した。所定の時刻よりも2時間11分遅れである。ドアから降りてくる乗客に疲れの色はない。むしろ、子どもたちは楽しかった寝台列車の旅に笑顔だ。ホームでゆっくりと「サンライズ」の車両を眺めてみた。限界いっぱいの車体、小さな連続した窓、ベージュ色と朱色のカラーリング。落ち着いた雰囲気の中にも、寝台列車としての気品が感じられる列車だ。寝台列車が削減されていく中で、孤軍奮闘する〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕は、次世代の新寝台列車としての期待を背負っていくことになるだろう。登場以来5年が経過しても、その色褪せることのない車両には、今後も多くの人を迎え入れ、旅の思い出のよき脇役を演じ続けてくれることだろう。
そんな感謝とも激励ともつかない思いを残し、回送列車となる折返し作業が続く〔サンライズ瀬戸・サンライズ出雲〕を見送りながら、東京駅9番線ホームを後にした。
(完)
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