トップplus+上々≠ネ旅I 2003〔のぞみ23号〕
JôJô Tour 2003

2003年 〔のぞみ〕 〔彗星〕 〔ソニック〕 〔サンライズ瀬戸〕  東京〜別府 看板列車乗り継ぎ “上々”な旅

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 2003年(平成15年)10月10日。以前であれば東京オリンピック開幕を記念した「体育の日」であるが、ハッピーマンデー法で、2003年の体育の日は10月13日。あくまでも、平日の金曜日である。時刻は、午後2時を回ったところ。品川駅のホームは比較的空いている。営業活動に忙しいサラリーマンや主婦グループが目立つ程度。それでも、ひっきりなりに電車が発着していく。山手線、京浜東北線、東海道線、横須賀線に京浜急行線。まさに、品川駅は東京都心南のターミナルである。これに、10月1日から東海道・山陽新幹線が加わった。今回の九州別府への旅は、東海道新幹線・品川開業に敬意を表し、品川からスタートした。

 品川駅・京浜東北線ホーム(3・4番線)。「東海道新幹線」は京急線と同様に他会社線の扱いに受けるのか、右片隅に表記されている。品川開業を巡るJR東日本とJR東海の確執を物語っているようだ。
 品川駅の東海道新幹線用改札口。バリアフリーを意識して構内の案内表記は文字サイズが大きくなっている。
 東海道新幹線・品川駅の駅名票。
 品川駅ホーム上の発車案内表示器類。白色LEDを多用し、はっきりとわかりやすい。
 〔のぞみ〕から望む富士山。なんといっても霊峰・富士。思わず拝みたくなる。
 名鉄(名古屋鉄道)の電車と併走するようになれば、名古屋到着は近い。
 品川駅開業ダイヤ改正のCMキャッチコピー「AMBITIOUS JAPAN!」をあしらった700系電車。
 4代目となる京都駅。

23A 〔のぞみ23号〕
0.0 品 川 14:58発
18.7 新横浜 15:08発
335.2 名古屋 16:34発
476.3 京 都 17:11着

機能重視か?無理矢理か? 

 東海道新幹線・品川駅の第一印象は、「全体的に少し狭いかな?」と感じた。狭い駅用地に建設したのだからそう感じても無理もないだろうし、新幹線に乗り降りするというだけの「機能」のみに特化したのか。上野駅が東京駅に始発駅を譲り、地下3階のコンコースが閑散としてしまったことを考えれば、多少狭い方が人間心理としてはいいことなのか。

 ホーム幅が狭いこともあり、ホーム上にはキヨスクなど売店さえない。ホーム上のコンコースに売店と喫茶店がある程度。お土産はホームに降り立ってしまうと買えない。それでも、機能面で不足していることはない。バリアフリーを意識した大きなサイズの案内表記は、遠くからでもよく見える。ちなみに、ホームへ続く階段やエスカレーターの手前には「ホームには売店はありません」と申し訳なさそうに書かれている。こんな情報でも利用客にとっては非常に重要な情報である。

 やはり開業してからまだ10日しか経っておらず、上京ついでに東京からではなく、品川からわざわざ乗るような利用客も多いようだ。

 ホームでやはり目立つのは、ホームドアと青色・白色発光ダイオード(LED)を取り入れた発車案内表示器。発車案内表示器は白色を多用したことでわかりやすい。「何という列車が何時何分に何番線ホームから発車し、その列車はどこに停まるのか」。これが一番重要な情報である。逆に言えば、これ以外の情報は不要と言っても過言ではない。これらの情報を誰でもはっきりとわかりやすくするのは、当たり前のことだが、全ての鉄道事業者が満足できるような現状ではないこともまた事実で、最新の技術を取り込んだ品川駅のような発車案内表示器を、多くの駅で見られることを願う。そして、ホームドアもそれほど圧迫感を感じない。一面の壁になっておらず、130cm程度の高さの柵になっていることで、空間に広がりがあり、圧迫感を感じないのは、列車の到着を待っている間でも苦にならない。しかし、喫煙所の混み具合だけはやはりどうしようもない。ホーム中央に設けられているが、出張のビジネスマンが中心に、携帯電話でやり取りしながら乗車前の一服をくぐらしている。せめて、東京寄り、新横浜寄りのホーム端に設けられないものなのか。

 ホームで〔のぞみ23号〕の到着を待っている間も、東京発着の列車が通過していく。東京を発ってすぐに品川なので、通過していく列車もそんなに速くない。

 時計に視線を落とせば、針は午後2時50分を回っていた。ホーム上にも到着前の案内放送が流れ、まもなく〔のぞみ23号〕が入ってくる。

AMBITIOUS JAPAN!

 14時57分。700系電車16両編成の〔のぞみ23号〕が品川駅24番線ホームに入ってきた。JR東海所有の700系電車で、両端の先頭車両には、東海道新幹線・品川駅開業のCMコピーである「AMBITIOUS JAPAN!」のステッカーが貼られている。しかし、品川駅のホーム上からはホームドアに阻まれ、撮影するのは難しい。さほど停車時間が長くないので、〔のぞみ23号〕に乗り込む。品川からの乗客と合わせて、〔のぞみ23号〕の乗車率は一見すると70%程度で、さほど混雑はしていないが、週末の金曜日、まして、体育の日を含めた三連休が控えており、普段より乗車率は高いのか。

 指定席券面に記載された座席に腰を落とす。それとほぼ同時に、〔のぞみ23号〕が品川駅を発車した。平日の金曜日、それも15時台の新幹線だけあって、車内はビジネスマンの姿が大半を占める。まさに、日本の大動脈・新幹線である。国鉄時代に半日も運休していたことが今では信じられない。「もし」という仮定の話だが、東海道新幹線が半日も計画運休してしまったら、新幹線から多くのビジネスマンが飛行機に逃げてしまうだろう。航空機も高速道路もこれほどまで発達していなかった時代だからこそできた荒技≠ニも言えるだろう。

 多摩川を渡り、東京都から神奈川県に入る。車窓には住宅やマンションが途絶えることがない。10分ほどで、新横浜に到着。新横浜は今や、東海道新幹線・京浜側のターミナルにまで発展しました。国鉄時代には多くの〔ひかり〕が通過していたのだから、約半数の〔のぞみ〕が停車することは、JR東海がいかに新横浜に重点を置いているか伺える。東京発着の〔のぞみ〕は、品川・新横浜のどちらかに停車するパターンが多い。

 15時08分、新横浜を発った〔のぞみ23号〕は、7割〜8割程度の乗車率で、10月のダイヤ改正で〔のぞみ〕を主力としたダイヤに改正したことが功を奏したのか、ただ単に従来の〔ひかり〕の乗客の選択肢が〔のぞみ〕だけとなり、〔のぞみ〕にシフトしただけなのか。品川駅開業後はいわゆる「開業景気」で利用客は伸びる。1年後、2年後に東海道新幹線がどうなっているのかが、正念場であろう。

 閑話休題。新丹那トンネルを抜ける頃、車窓は、住宅・マンション一辺倒から、大工場、茶畑が加わった、多彩なものとなっていた。もう、神奈川県を抜け、静岡県に入った。〔のぞみ〕は静岡県内に停まることはない。新横浜から名古屋までの約1時間30分、停車しない。茶畑と工場、住宅が混在する彼方に、霊峰・富士山を仰ぎ見ることができる。中腹に雲を頂いているが、やはり富士山はその姿を仰ぎ見るだけでうれしい。

 富士山を右手に仰ぎ、〔のぞみ23号〕は静岡県を西走する。車内はたまにマナーモードにし忘れた携帯電話が鳴る程度で比較的静かで、新聞に目を通したり、雑誌を読みふけったり、つかの間の休息に体を休めていたり、だだ走行音だけが響いていた。デッキへのドア上にある電光掲示は、通過駅の案内や広告だけでなく、ニュースも流れる。きょうのニュースは、衆議院の解散であろう。予定されていたとはいえ、どこの新聞社のニュースも「衆院解散」がトップのようだ。

 15時48分頃、静岡駅を通過。富士山が右手後方にさがると、浜名湖は近づく。緑が点在する中にも、住宅地や工業団地が混在し、車窓の変化は目を離させない。静岡や浜松などの通過駅に近づくたびに、高層ビルが目に入り、駅が近づいていることを告げている。東海道新幹線は、太平洋沿いに走っており、トンネルはないようにも思えたが、案外トンネルが多いことに気づく。

 浜名湖を過ぎ、名鉄の電車が併走すると、もう名古屋は目の前である。16時33分、名古屋駅17番線ホームに白い車体の700系電車が滑り込んだ。3割程度の乗客が降り、それとほぼ同し程度の利用客が乗り込んできた。名古屋駅17番線ホームは〔のぞみ23号〕から降りた人、これから〔のぞみ23号〕に乗る人、他の列車を待つ人でホームは品川駅よりも混んでいる。そんなホームに「きしめん」のお店があるのが、いかにも名古屋らしい。

 一転して慌ただしくなった車内の喧噪が落ち着かないまま、〔のぞみ23号〕は、名古屋駅を発車した。しばらくすると再び、静かな車内が戻ってきた。車内販売のカートが往復する以外、人々は自席で思い思いに時間を過ごしていた。合戦で有名な関ヶ原も東海道新幹線にとっては降雪のネックだが、今のシーズンは無関係で、250km/h近い速度で通過していく。琵琶湖が近づくと、京都は近い。京都に近づく頃に気づくことがあった。それは、すれ違う上り新幹線の本数の多さである。「ひっきりなし」という言葉が似合うほど、すれ違う。

古都1200年余の荘厳さ

 10月10日は晴天の得意日だというのに、2003年の10月10日は外れてしまったらしい。〔のぞみ23号〕で西進しても、どんよりとした曇り空はついてきた。時計は午後5時を回り、夕暮れが迫ってきた。琵琶湖から離れ東山のトンネルを越えると京都である。よくテレビなどで見られる当時の五重塔と新幹線のセットは京都を出てからなので、京都到着前には見られない。

 17時11分、京都駅13番線ホームに〔のぞみ23号〕は到着した。京都駅のホームに降り立ってみると、「京都」という響きからか、なんとなく「古都の香り」がする。これが古都1200年の重みなのだろうか。それがまた人々を惹きつけるのだろう。

 烏丸口の京都駅は4代目に変わっている。1997年に平安遷都1200年記念事業の一環として改築された。京都市の景観整備条例による規制の例外なのか、京都ホテルとこの新「京都駅ビル」は、建築物の高さ制限から除外されているらしい。確かに、古都・京都の景観を守り続けていくことは非常に重要であることは言うまでもない。しかし、「駅」という建物の特殊性を考慮すれば、高さ制限の例外も認めてもいいのではないか。京都駅は現代平安京の羅城門ともいうべき存在なのではないか。つまり、古都・京都の入り口の門にふさわしい現代建築と考えるのだが……。50年後、100年後、東の「東京駅丸の内レンガ駅舎」、西の「京都駅烏丸駅舎」と並び称されるほどに味わいがあるものに育ってほしい。それにしても、烏丸側の京都駅は立派なものだが、ホームや階段、跨線橋は案外狭く感じられる。烏丸口の京都駅の改築は、ホーム側までは及んでいなかったようだ。人々の動線が交錯することはないが、やはり改築を視野に入れる必要があるだろう。

 ところで、京都駅で〔のぞみ23号〕から下車したが、実は小倉まで〔のぞみ23号〕に乗車して、特急〔ソニック〕に乗り継げば、当日中に別府に到着することは可能だ。しかし、これでは、鉄道ファンの上々≠ネ旅ではない。このあと、「ブルートレイン」の旅が待っている――

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