トップ上越新幹線未来予想図
Futurology of Jôetsu Shinkansen

 上越新幹線の「未来」には何が待っているのだろうか?……

 これらの未来予想図≠ヘ、「ときエクスプレス」が勝手に予測したものであり、JR東日本などの公式見解などをまとめ、示したものでありません。

新幹線未来予想マップ

東海道新幹線との直通運転

 巷で最も囁かれているのが、「東京駅で分断されている、東海道新幹線と上越・東北新幹線は結ばれて直通運転しないのか?」といった話。

 確かに、「新潟発名古屋行」や「仙台発新大阪行」、「三島発高崎行」などという列車があったら、東京駅での乗り換えなしに新潟、仙台から名古屋、大阪がダイレクトに結ばれる。

 ただ、現実的に考えると、さまざまな実現困難な点が挙げられる。

 まずは、会社が違うことだ。旧国鉄が分割民営化された1987年4月1日には、上越・東北新幹線は上野までで、東京に乗り入れたのは1991年のこと。旧国鉄のように全国一極運営であれば、直通運転をした可能性が非常に高かっただろう。現に、旧国鉄は仙台・新潟─新大阪間の直通運転を計画していたらしいとのこと。直通運転すれば東京駅での車輌点検・整備の時間が省かれ、ホームの発着許容量を向上させることもできた。しかし、現実には、東海道新幹線はJR東海、上越・東北新幹線はJR東日本と、同じJRグループといえども別法人(会社)になった。また、JR東日本とJR東海は、東海道新幹線・品川新駅開業で決定的な対立を生むほど、対立していた。

 次に、車両の技術的な関係である。新幹線の電車は交流25,000ボルトを電力に動いている。交流の電気には周波数という電気の波がある。その周波数が東海道・山陽新幹線では60Hzヘルツ、上越・東北新幹線では50Hzヘルツと異なっており、東海道新幹線の300系電車・700系電車がそのまま上越・東北新幹線では走れない。

 しかし、長野新幹線用のE2系電車は、50Hz、60Hzの2周波に対応した新幹線電車(軽井沢以西で60Hzになり、軽井沢以東の50Hz区間と2周波で運転される)で、車輌の技術的な関係はクリアした結果になっている(営業用車輌ではないが、E926形電車「East i」も2周波に対応している。過去には長野五輪輸送用に改造された200系電車1編成も2周波に対応していた)。だが、E2系電車以外は複周波に対応するように改造をしなければならず、その費用は膨大なものとなるだろう。

 そして、仮に直通運転が行われたとき、異常発生時の遅延が広範囲に影響を及ぼすことが考えられる。また、列車の愛称と運転区間、使用車輌が複雑になってしまうこともあるだろう。例えば、「〔ひかり・とき〕新大阪発新潟行」や「〔たにがわ・こだま〕高崎発三島行」などとなるかもしれない。

 やはり、東海道新幹線との直通運転は幻になってしまったようである。だが、せめて、東海道新幹線を上野駅・大宮駅まで、上越・東北新幹線を品川駅・三島駅までそれぞれ乗り入れれば、東京駅の混雑も緩和されると思うのだが……

北陸新幹線

上越新幹線 長野新幹線
と き
TOKI
新 潟
For Niigata
あさま
ASAMA
長 野
For Nagano
Maxとき
Max TOKI
新 潟
For Niigata
あさま
ASAMA
軽井沢
For Karuizawa
↓?北陸新幹線延伸開業?↓
と き
TOKI
新 潟
For Niigata
あさま
ASAMA
上 越
For Jôetsu
Maxとき
Max TOKI
新 潟
For Niigata
はくたか
HAKUTAKA
金 沢
For Kanazawa

 現在、「長野新幹線」として営業している北陸新幹線。長野から先の工事も着工され、2013年(平成25年)頃を目標に工事が進められている。富山まで一気に延伸開業するか、上越(仮称)まで暫定的に延伸開業し富山まで開業する二段階延伸するかのどちらかだと思われている。2005年(平成17年)に富山─金沢間も着工し、2015年(平成27年)度に長野─金沢間が一括開業する予定になっている。

 現在は仮称の段階だが、北陸新幹線に「上越」駅ができることになる。そうなると、上越新幹線上越があることになる。「上越新幹線の上越」なら問題はないのだが、「北陸新幹線の上越」だから、ちょっと問題になるかもしれない。

 右上のイメージ画像のように、上越新幹線〔とき〕新潟行北陸新幹線〔あさま〕の上越が並存する可能性がある。それも、東京─高崎間は、同一のレール上を走る。

 例えば、東北新幹線の仙台せんだい駅と九州新幹線の川内せんだい駅では、読み方が同一ですが、離れていること、漢字が異なることなどから混同されるおそれはそんなにない。

 そのようなことから、上越新幹線が新潟新幹線関越新幹線に改称されるかもしれません。

 ちなみに、上越新幹線の上越≠ニ北陸新幹線・上越駅の上越≠ナは語源が異なっている。

上越$V幹線と北陸新幹線上越♂w 語源の違い
上越新幹線の上越
  1. 州(群馬県)と後(新潟県)として開業した在来線の上越線(高崎─宮内間)に並行する新幹線
  2. 上野─新潟間を上越線(上信越線)と案内上呼ぶこともある
  3. 上野と越後を結ぶ新幹線だからというわけではないらしい
これらから『上越新幹線』となった。
北陸新幹線・上越駅の上越
 新潟県を四つに地域分けすると、京都に近いほうから上越じょうえつ中越ちゅうえつ(長岡市を中心としたエリア)・下越かえつ(新潟市を中心としたエリア)・佐渡さどになる(天気予報などで使われる)。その上越地方の中心都市が上越市である。上越市は1971年(昭和46年)に高田たかだ市と直江津なおえつ市が合併して誕生した都市で、信越本線(在来線)には高田駅と直江津駅がある。2005年(平成17年)1月1日に周辺の13町村を編入した新しい上越市が発足した。

北陸新幹線金沢開業=\―「上越“ローカル”新幹線」転落への危機!?

↓?北陸新幹線延伸開業?↓

 2005年(平成17年)5月23日、上越新幹線沿線の新潟県と新潟県内の自治体が中心となって「上越新幹線活性化同盟会」が発足した。

 JR東日本の試算によると、現在、上越新幹線と北陸(長野)新幹線の利用客数は、高崎以北の断面輸送量で60対40であるのに、北陸新幹線が金沢まで開業すると、越後湯沢でほくほく線経由の特急〔はくたか号〕に乗り換えていた利用客を中心に、北陸新幹線に流れ、45対55に逆転するという(右図)。この利用客流動に合わせてダイヤが設定されれば、単純計算で25%も上越新幹線の運転本数は減らされかねない。間違いなく〔Maxとき306号〕のような東京─越後湯沢間無停車なんて運転形態は消えてしまうだろう。

 それならまだしも、ただでさえ運転本数が飽和状態にある東京─大宮間の東北・北海道新幹線を含めた運転本数確保のため、「〔とき〕の東京乗り入れ廃止、大宮止まり」という事態さえ簡単に想定される。

 これに危機感を抱いたのは、新潟県内の上越新幹線沿線の自治体で、新潟中越大震災(新潟県中越地震)で上越新幹線が約2ヶ月も不通となり、風評被害を含め観光客の減少に苦しんだ背景がある。

 北陸新幹線が開業するのは2015年(平成27年)。10年後といえども今から対策を打とうというのがこの同盟会の発足目的で、まさに上越新幹線は「新潟県の生命線」といわんばかりである。

 しかし、上越新幹線の利便性を高めると、山形・秋田新幹線で顕著になった「ストロー現象」(交通ネットワークを整備した結果、経路上の大都市:東京が繁栄し、小都市が衰退してしまう現象)が、上越新幹線でもさらに加速させかねない。東京からの観光客入り込み数の増加や企業誘致にメリットがある一方で、ストロー現象によるデメリットもある「諸刃の剣」で、いかにストロー現象を食い止めるかの対策を講じなければならない。

 この「与えられた10年」をどうするか。これによって上越新幹線が「上越“ローカル”新幹線」になってしまうかもしれない。

羽越新幹線

 上越新幹線ではない。羽越新幹線である。この羽越新幹線は新潟から新発田、村上、あつみ温泉、酒田へ延びる路線で、工事に入っているわけではなく、全くの計画段階にある。山形新幹線や秋田新幹線の成功に刺激された羽越本線沿線の自治体・企業などが計画しているもので、新潟駅からは、白新線・羽越線を改軌(新幹線の軌間に改築する)して、新在直通特急を走らせようとしているものである。

 ただ、羽越新幹線が実現するには資金の問題のほかにも多くの課題を解決しなければなりません。例えば、羽越線を新幹線サイズに改軌した時の貨物列車をどうするかといった問題である。また、改軌せずに、車輪の幅を変えられるフリーゲージトレイン(軌間可変電車)の研究も進んでいるので、羽越線を改軌せずに上越新幹線との直通運転ができるかもしれない。

どうなった?新潟空港延伸計画

と き
TOKI
新 潟
For Niigata
エアポート
と  き
AIRPORT TOKI
新潟空港
For Niigata Airport

 1980年代後半〜90年代前半のバブル経済絶頂期後半に、新潟駅の北東約10kmにある新潟空港まで上越新幹線を延伸させようという計画が立ち上がった。全国初の空港直接乗り入れ新幹線≠ナ、飽和状態で拡張が難しい成田空港の補完空港として機能させようという狙いがあった。

 「環日本海時代」をキーワードに、成田空港に発着していないロシア極東のハバロフスク、ウラジオストクやハルピンだけでなく、成田空港に乗り入れられない欧州便の就航に弾みをつけ、新潟空港の機能強化を図るというものだった。

 ただ、新潟─新潟空港間の予定路線は、信濃川・阿賀野川が運んできた砂が堆積した地質で、高架線を建設するには建設費が高く、一部区間で地上線を導入するにしても建設費が高く、建設計画はやや頓挫した傾向にある。

新潟空港延伸計画 しかし、2007年(平成19年)4月の新潟市政令指定都市移行によって、新潟空港乗り入れ計画が再燃する可能性もある。

 一方、羽田空港(東京国際空港)のD滑走路拡張により、羽田空港の発着枠が大幅に拡大し、年間3万回程度の近距離国際定期便(2,000km程度)の就航が可能となる。

 羽田空港D滑走路の運用開始が予定されている2010年(平成22年)、新潟発着のハバロフスク、ウラジオストク、ハルビン(哈爾浜)便が羽田空港に移転すれば、新潟空港は国際空港から「国内空港」に転落するおそれさえある。

 新潟空港をめぐる情勢の変化からも、上越新幹線を新潟空港へ直接乗り入れる計画の実現性は乏しいと言わざるを得ない。

 なお、信越本線の貨物支線を延伸して新潟空港へのアクセス鉄道を建設する案なども検討されている。ただ、信越本線の貨物支線を延伸する場合は、現状では新潟駅に直接乗り入れることができないなど問題点も指摘されている。

大宮以南複々線化する?

 2005年(平成17年)1月8日の「日本経済新聞」(夕刊)1面に「新幹線『新宿─大宮線』が浮上」というタイトル記事が掲載された。

 これによると、自民党内の整備新幹線等鉄道基本問題調査会(小里貞利会長)を中心に、新宿─大宮間の地下新幹線ルート建設の検討に入り、2010年(平成22年)度以降の着工を目指し、概算6,000億円の建設費の確保が大きな課題となる、と伝えている。

 東京─大宮間の輸送力が飽和状態に近いため、大宮駅南側で現在の路線を分岐し、埼京線・山手線の直下を通る新幹線新線を建設し、そのまま新宿地下駅に乗り入れるというのもの。地下線で騒音問題も生じないことから最高260km/hで運転し、所要時間は大宮─新宿間を11分で結ぶ計画だそうです。ただ、この記事からは、池袋駅に新幹線ホームを建設するのかは決まっていないようである。

 2004年(平成16年)12月に、北海道、北陸、九州(長崎)の整備新幹線3区間の新規着工が決まったことで、整備新幹線の新規着工にメドがつき、さらに、この構想では都市部の交通対策を打ち出せることから、この計画への国民の理解を得られやすいのではないかと、解説されている。

私 見 〜新幹線・新宿地下ルートは要らない〜

 結論から言えば、「新幹線・新宿地下ルート」は要らない。猛烈に「反対」である。

 確かに、現在の最高速度110km/hに抑えられた東京─大宮間は、5新幹線が集中し、飽和状態に近いことは間違いない。そして、今後、東北・八戸─新青森間、北海道・新青森─新函館間、北陸・長野─富山─金沢間が開業することで、東京−大宮間の輸送力は限界に達するかもしれない。さらに、上越新幹線の当初の建設計画では、新宿─大宮間で現在の新幹線に並行する形で建設させることになっていた。だから、鉄道ファンの間では「上越新幹線は全線開業していない」と言われてきた。

 しかし、である。東京─大宮間、とくに当時の与野市、浦和市、戸田市や東京都北区では、現在の新幹線を建設する際に、地下ルートで建設してほしいと大きな住民運動が展開された。国鉄は、住民側の地下ルート建設に対し、通勤新線(埼京線)を並行させ、新幹線も最高110km/hに抑えることで、現在の高架ルートの建設合意にこぎつけた、国鉄苦心の「過去」がある。「過去」は過去でしかないのかもしれない。けれども、国鉄は、巨額の累積赤字(債務)を抱えながらも、上野−大宮間に高価な新幹線を通すことで、なかば自滅、崩壊していった。この「過去」をどう受け止めるのだろうか。

 JR自らが、自らの資金と意志で、時間短縮、輸送力増強のために、「新幹線・新宿地下ルート」を建設するのなら、決してここまで強烈に反対はしない。そこは、新幹線鉄道事業を営むJR自身の意志が存在するからだ。

 さらにいえば、着工されている整備新幹線区間(東北・北海道・北陸)が開業したとしても、現在の〔はやて〕や〔あさま〕の運転区間を延長することで、東京─大宮間ではそれほど運転本数が増加するとは考えにくい。JRも増加する輸送需要に対応して、全2階建電車「Max」(E1系電車・E4系電車)を投入し、輸送力の確保に努めてきた。「新幹線・新宿地下ルート」は、このJRの企業努力さえ無駄にしてしまうおそれさえある。

 もっとも、概算で6,000億円といわれる建設費をどう確保するのか、明確な拠出の根拠さえ全くない。新幹線建設の地元負担分を、「過去」を背負っている埼玉県やさいたま市、東京都に求めていくのだろうか。さらに、それらの地方自治体は応じてくれるのだろうか。もし、この区間だけ、全額国費やJR負担金で建設されるとしたら、新幹線建設費の地元負担をしている青森や鹿児島の各地方自治体は、猛烈に怒っても当然である。さらに、将来世代負担の借金で賄うというなら、その将来世代は減っていく「人口減少時代」に突入する現実にどう反論するのだろうか。

 もし、6,000億円を投じるのなら、現在の東京ルートの高架橋の耐震性をさらに高め、視界を遮りにくい防音壁を作り、最高160km/h〜180km/hに向上させるほうが、費用対効果を含め、安上がりになるのではないかと、考えるのは「暴論」だろうか。

 「新幹線・新宿地下ルート」で、JRが第二の国鉄≠フ二の舞になってしまうのではないか、強烈に危惧感を抱いてしまう……。

20xx年のシンカンセン

 東北新幹線も青森まで達し、北陸新幹線、九州新幹線が延伸開業する頃、20xx年にはどんな新幹線の姿になっているのだろうか。もしかすると、300km/h超の運転をしているかもしれません。東京─新潟間が1時間前後になるのも夢ではない。

 上越・東北新幹線の開業以来、活躍してきた200系電車もあと10年ほどで引退するのではないかといわれている。第1世代(200系電車)から第2世代(E2系電車)に入った新幹線は、第3世代の快適な車輌たちで運転されていることだろう。

東京駅発車案内板をイメージした20xx年の発車案内

 20xx年の東京駅新幹線乗換改札口――。人波にもまれたどり着いた新幹線乗換改札口に、白髪交じりの男性がひとり、ポツンと新幹線の発車案内を眺めていた。これから新幹線で旅行でもするのだろうか……

 その初老の男性は、ステッキを左手に持ち変え、慣れない手つきで自動改札機にICチップ内臓の携帯電話をかざした。既に、「きっぷ」は鉄道の世界では過去≠フものになっていた。携帯電話の画面には「△△月◇◇日 Maxとき327号 東京(17:42)→新潟(18:36) 5号車28番C席 21番線より」と表示されていた。初老の男性は、携帯電話を眺めながら、エレベータでホームに上った。

 今や、東京駅は、東海道・山陽・九州新幹線に、東北・山形・秋田・新潟・羽越・長野・北陸新幹線とが集結していた。十数年前にはなかった「富山」行、「新青森」行の文字が旅情を駆り立ててくる。初老の男性は、静かにE7系新幹線電車「Max 7」に乗り込んだ。E7系電車は、全車両が2階建てながら、最高速度330km/hで、東京−新潟間を1時間の壁を破り、56分で結ぶ。男性の行先は新潟。

 その白髪交じりの初老の男性は、xx年前の上越新幹線開業の時の上り一番列車〔あさひ190号〕の運転士であった……。

<このお話は完全なるフィクションである……>

このページの先頭へ|     【このページの最終更新日は